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4    裁判例【示談契約の解釈と他車運転危険担保特約】
 
 
 
被害者遺族が事故直後に署名押印してしまった示談契約の解釈をめぐって争いとなった民事裁判があります。加害者側は,「被告が原告らに対し3000万円を支払い,原告らは被告にそれ以上の請求をしないとの示談契約が成立している。」として自賠責保険金以上の支払いを拒否しました。裁判所は,示談契約の内容を次のように認定して,適正な損害賠償額の支払いを命じました。
 
「原告らと被告(加害者)の間では,・・・示談書が作成されたことが認められる。しかしながら,本件示談書の示談条項欄には,被告車の自賠責共済を使用して原告らが被害者請求を行うが,さらに,本件保険契約の他車運転危険担保特約の適用が認められたときには,原告らが被告会社(任意保険会社)に請求し,被告はその請求に協力する旨の記載があるところ,これによれば自賠責共済のみで原告らの損害額全部を填補できなかった場合には,その不足額を被告会社に請求することが予定されており,また,被告会社に請求するためには被告に対する請求が前提となるものである。そうすると,原告らと被告の間で・・・本件示談書が作製されたからといって,被告が原告らに対し3000万円を支払い,原告らは被告にそれ以上の請求をしないとの示談契約が成立したものということはできず,その他にこれを認めるに足りる証拠はない。そうすると,その余の点につき判断するまでもなく,被告らの上記主張は理由がない。」(平成16・3・31・津地判決)
 
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津法律事務所;2006/03/20

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