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21    陳述書【死亡高1女子の母】
 
 
刑事裁判所に提出
《陳述書》死亡高1女子の母
 
意 見 陳 述 書
 
平成○○年○月○○日, 私の娘○○○は交通事故にあい,意識が回復すること無く同年○月○○日集中治療室で亡くなりました。 春休みの朝,高校の部活動に向かう途中,自転車に乗る娘は歩道で車にひかれ,車の下敷きになり 心肺停止,意識不明の状態で病院に搬送され,その後○○日間頑張りましたが,1度も目覚める事なく亡くなりました。
 
私の娘,○○○は幼い頃から小学○年生まで重度な食物アレルギーでした。 食べられない物が沢山ある為,幼稚園の給食は食べられず,給食のメニューに合わせて似たような物を作り,持たせていました。小学校に入っても,卵と乳が最後まで残り この頃の給食には代替食はなく除去食のみでアレルギーの入ったおかずは食べる事が出来ず,あれもこれも数種類おかずに入っている時は食べる物がなく,お腹の空く日もあった事でしょう。市販のお菓子やケーキ,パンなどはほとんど食べる事が出来ず,外食も出来ず,友達の家でのおやつの時間は,持たせた物以外は食べさせないようお願いしていました。 ほかの子が食べている物が食べられない,大きくなるにつれ辛い事が多い我慢の日々でした。
 アレルギ−が治ってからは何でも美味しそうに食べてくれました。 お弁当に入れた初めての卵焼きを嬉しそうに眺めていた顔も,手作りではないケーキ屋さんの美味しいケーキを食べた時の嬉しそうな顔も,今でも覚えています。
 
中学生の頃は,将来の夢を見つけ,それに向かって自分なりに真っ直すぐ努力して進んで行きました。夢に向かって,少し望みの高い高校を目指していました。家庭の事情で塾に行かせてやれず,友達がみんな塾で勉強する中,ひとり頑張っていましたが,希望校には入れませんでした。しばらく落ち込んでいましたが,それでも高校に入ってからは楽しい日々がやって来ました。心からの親友も出来 ,部活に,勉強に誰が見ても本当によく頑張っていたと思います。学校から毎年数人「模範生」の表彰を受けるのですが,いの一番に名前が上がったと聞いています。「何処にでも推薦してあげるから」と,担任の先生から嬉しい言葉も掛けてもらいました
 クラスの事や友達の事,好きな人の事や部活での出来事,私に何でも話してくれました。「2年生になったら弾けたい。勉強も頑張るし,バイトもしてみたい。友達とも旅行も行ってみたい。いろんな事を経験したい。」とこれからの事を嬉しそうに話す娘の笑顔が今も胸に残っ ています。
 
こんな事はきっと間違いで,夕方になれば,「ただいま」って,「今日のご飯は何」って,いつもの会話が始まって,そんな毎日がずっと続くはずでした。 なのに,娘はもう帰って来ません。もう帰って来られないのです。
 春が来たらもう1年になります。娘の居ない娘の部屋で,今日も1日のほとんどの時間を過ごしています。 辛いです。何をしても,何を見ても,あの子の事ばかり考えてしまいます。朝起きて目覚めるたび,夕食のお皿を並べる度,洗濯物を干す度,寂しさが押寄せて来ます。
 毎日が楽しくて仕方が無く,明日が来るのを待ちきれないほどの娘の高校生活を,どう諦めろと言うのですか。娘の居ない辛い毎日を,どのように生きて行けばいいのですか。もう娘に触れる事も出来ません。あの笑顔も見ることはできません。 私の隣で腕を絡ませ笑いながら横を歩く娘はもう戻っては来ません。高校生を見掛けるたび胸が痛みます。制服を着で,すれ違う学生の中に私の大事な娘が居ないのです。皆が居るのに私の娘だけが居ないのです。
 
○○年しか生きられなかった幼い夢いっぱいの娘の人生。 まだやりたい事が沢山あってもっともっといろいろな事を経験させてあげたかった。あまりにも駆け足で過ぎて行きました。
 
 
娘は○○歳の若さで,突然,あなたに命を奪われました。 あなたは運転中,何をしていたのですか。うっかりしていたからですか。携帯を見ていたからですか。どうしてこのような事が起こったのでしょう。普通に安全確認さえしていたら,こんな事にはならなかったはずです。どうして,私の娘は死ななくてはいけなかったのですか。真っ直ぐないつもの道を,いつものように学校に向かっていただけなのに。
 
こんな悲しい事がもう決して起こらないよう,交通事故に対しての処罰はもっと,もっと厳しいものにしなくてはいけないと思います。どんなに反省していたとしても娘を殺した事は事実です。変えようのない事実です。どんなに願っても娘は帰って来ません。このような悲しい事故が少しでも1つでも起きない様に,どうか厳しい処罰をお願いします。
以上
 

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津法律事務所 弁護士喜多正達
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