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16    陳述書【後遺障害を負った被害者の死亡】
 
 
 
陳述書 
平成**年*月*日 
*地方裁判所民事部 御中
原告 **** 印 
 
 私は平成**年**月*日発生の交通事故の被害者亡***の妻です。
 
1 入院,介護,死亡
  事故後,夫は一度も意識が回復せず,意思の疎通が全くできない状態でした。外傷後遷延性意識障害と診断され,回復の可能性はなく,寝たきりで24時間の介護が必要な状態になりました。呼吸は人口呼吸器に頼り,気道確保のため気管切開,胃瘻による経管管理,また頭蓋内内圧のコントロールのために脳室から腹腔内に皮膚の下をチュウーブが通っていました。
  病院への往復途中で,夫と会話をすることさえできない淋しさに涙する日がありましたが,必死に介護に努めました。一番苦しい思いをしている夫が,様々な症状と闘い続けており,いつか奇跡が起きると信じて,毎日,公共機関を使って病院に通いました。耳は聞こえている可能性もあると聞き,毎日,話しかけ,声かけに努めました。また,病院に着いたら必ずラジオをかけました。
  将来の在宅介護のためには介護訓練が必要ですが,それは付添看護を通じて覚えます。痰の吸引方法などを看護師さんに教えてもらい,私も痰の吸引を心がけました。体位変換も看護師さん等がしてくれますが,夫の褥瘡(床ずれ)はひどく膿が出てくるので,私も体位変換に努めました。食事は胃瘻ですが,夫はよく戻し,寝巻等を汚しました。夫は,体重が80キロ以上あり,女一人での体位変換や着替は大変でした。
  洗濯物も大量にできました。バスタオル,寝巻,おねしょシーツ等を持ち帰って洗濯し,また,病院に持っていきました。
  寝たきりで筋肉や関節が固くなるので,毎日,マッサージをしました。リハビリの先生から,マッサージの仕方を教えていただき,一日,30分から1時間かけてマッサージをしました。
  その外に,髭そり,体のケア,口腔ケア,オムツ交換の手伝い等が日課でした。1日平均して約6時間は病院にいました。夫の体調が悪い日は12時間いることもありました。夫の体調の変化を看護師さんに報告して処置をしてもらいました。肺炎,感染症等が心配で細心の注意をして介護に努めました。
  しかし,夫は平成**年**月*日に逝ってしまいました。
 
2 事故前の生活,稼働状況
  事故当時,住居地で,夫と私(専業主婦)と長男(会社員)と私の母(義母,大正生まれ)の4人で生活していました。
  夫の収入は,年金の他,パート収入がありました。
  夫は,朝5時ころに起床して犬の散歩をし,朝食を食べて仕事に出かけていました。毎日,午前中の3時間ないし4時間程度稼働し,昼(正午)には家に帰っていました。午後も働くことができましたが,雇用契約の勤務時間が午前中になっていました。時給800円,月平均手取額は約8万円(年約96万円)でした。
  午後は,畑仕事が夫の日課でした。午後1時から午後6時ころまで畑に行っていました。私の叔母所有の畑を借りていました。自転車で約15分くらいでした。多種多様な野菜を栽培していました。トマト,キュウリ,ナスビ,ピーマン,ジャガイモ,玉ねぎ,ネギ,サツマイモ,サトイモ,えんどう豆,インゲン,大根,ニンジンなどで,家族4人分の食材として野菜を買う必要はありませんでした。
  また,夫は,積極的に家事(家族4人分)を手伝ってくれる人でした。家の掃除,窓ふき,納屋の整理等,私の体調が悪い時は洗濯等もしてくれました。日常の買物(衣料品,日用品,食糧品等),特に,量のある物(トイレットペーパー等)や重い物(お米等)の買物は,夫の運転に頼っていました。長男は会社に勤めているので,運転してもらう時間的余裕がありませんでした。私と母は車の運転ができません。
  私の母は右目を失明しており,癌の摘出手術を受け,足腰が弱っていました。母の癌摘出手術での入院に際しては夫が協力してくれました。付添のための病院往復,退院後の通院は,夫運転の車でした。
以上
 
【備考】《後遺障害を負った被害者の死亡事案》
  事故と死亡との相当因果関係(医師意見書)に争いがなく,年金の逸失利益,葬儀費用が損害として認められました。治療関係費は全額,近親者入院付添看護費は日額6500円,症状固定後の入院看護費は全額,症状固定後の近親者付添看護費は日額5000円(入院全日数),入院雑費は日額1500円,休業損害相当額,逸失利益の基礎収入は年齢別平均給与額8割(給与収入・相応の家事分担・義母の入通院付添等考慮),入院慰謝料増額(後遺障害等級1級1号認定後の重篤状態での入院継続が増額事由),死亡慰謝料相当額,過失相殺,損益相殺,その他で和解が成立しました(H26.3.19)。
 
UP:2015/5/24
 

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