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9    実務から《自賠責保険と任意保険との関係》
 
 
1 自賠責保険の要件と任意保険への直接請求権
自賠法には「他人」という要件があります。これに該当しないと自賠責保険は出ません。この要件に当たるかどうかが問題となりましたので,交通被害家族が賠償総額を加害者及び任意保険会社に直接請求した民事裁判があります。
 
2 任意保険の自賠上積の意味
任意保険会社は次のように主張しました。被害者が自賠法の「他人」の要件に当たらなければ任意保険から賠償総額を支払います。しかし,この要件に当たる場合は,自賠責保険がその限度内で裁判所認定額を支払う義務が生じますから,それを越える額を任意保険が支払います。
 被害者には賠償総額が保険(自賠責保険,任意保険)から支払われますが,要件の有無で,支払義務者と支払負担額が異なるという主張です。
 
3 結果
裁判所は自賠法の要件に該当すること,自賠責保険が限度額を支払う義務のあることを認定し,任意保険会社に対し自賠責保険金額を控除した残額の支払を命じました。
 自賠法の要件の有無にかかわらず,被害者に賠償総額が支払われるべき事件でした。要件が認定されて総額が支払われました。
 
4 参考判例
名古屋高等裁判所平成14年(ネ)第599号(最高裁のホームページ・下級裁主要判決情報・参照)
 
2003/10/05

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津法律事務所 弁護士喜多正達
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