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11    実務から《交通犯罪被害者保護》
 
 
 
1 交通犯罪被害者保護 ― 弁護士と検察官
 業過致死事件の厳しい検察官の論告に同感し,被害者の相談には証拠保全と被害者側上申書の提出をアドバイスする。果たして,加害者の処罰を求めるのは,弁護士の仕事ではなく,検察官の仕事ではなかったでしょうか。
 交通事犯の起訴率は極端に低い傾向が続いています。不起訴事案の刑事記録は,被疑者(加害者)のプライバシーと法を根拠に一部しか開示されていません。死亡・重傷事案の被害家族が情報不足のまま証拠保全に奔走します。事故の真相は何か。不起訴事由は何か。知る権利と損害賠償の確保等のためには,刑事記録が必要です。被害者側の弁護士は,以前から交通犯罪被害者保護の役割に関与しています。
 
2 被害者保護の立場
 弁護士は依頼者の利益を最大限に確保しようとします。加害者から依頼を受けた弁護士も同じです。良いか悪いかではなく,立場の相違です。それぞれの依頼者側の主張を展開していると,抽象的に矛盾する相手側の主張はできなくなります。宿命だと思います。
 
3 任意保険と判決の履行
  交通死や重度後遺障害被害者に対する賠償額は,自賠責保険の支払限度額を遥かに超過します。被害者への賠償額全額が支払われるためには,運転者全員が任意保険に加入している必要があります。義務であるといっても過言ではないでしょう。任意無制限等に加入していれば,任意保険から判決記載とおりの損害賠償額全額が支払われます。
 
4 任意保険と示談のあり方 − 適正手続
 問題となるのは,死亡重傷被害に遭った交通被害家族が事故直後に受ける交渉,示談提示額,支払われ方等です。各種算定基準と解決方法を知らないままの示談,知っていたらの後悔。示談における適正手続が必要です。交通被害家族は示談の前に各種算定基準の相違と解決方法等を告知される等の知る権利があると思います。 
 
2003/10/06

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津法律事務所 弁護士喜多正達
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