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10    実務から《交通刑事記録の早期全面開示の要請》
 
 
1 手続の実態
事故態様と結果から,どうして不起訴なのか,被害者と家族は一生をかけて悩みます。理解できない刑事政策的不起訴と証拠不十分による不起訴処分が,被害者の心情に与える精神的苦痛です。
   更に,新たな精神的・経済的苦痛が始まります。
 
2 示談代行交渉の現場
不起訴になった結果,反射的に保険会社の代行業務が中止されたり,賠償請求が困難となったり,減額提案されたりします。交通死家族や重度後遺障害被害者が,今後,生きて行くための賠償金が失われます。たとえば,次のような一方的回答がきて,その後,放置されます。
   (1)保険担当者;「不起訴で契約者(加害者)が過失はないといっています。保険は出ないかもしれませんし,会社としては動けません。」  (2)保険担当者;「事故車が任意保険に入っていませんでした。保険約款上,他車運転に当たれば保険が出ますが,不起訴事案で過失相殺の大きい事案ですから,自賠責の範囲内です。」  (3)被害者加入の保険担当者;「事故車は任意無保険でした。刑事処分結果は不起訴で,加害者は責任がないといっています。加害者の賠償責任と賠償額が明確にならない限り,無保険車傷害保険は出ません。」
 
3 加害者の身勝手な主張
不起訴処分の具体的事由は非公開です。加害者は,被害者側に非があるから不起訴無罪になったと主張し始めます。不起訴の根拠事由が不明のまま,被害者が加害者の過失の立証責任を負います。過失相殺。不条理です。
 
4 交通被害家族の心情
被害者は賠償問題について予備知識がありません。各種相談窓口に電話で加害者の不起訴を伝えると相談が入らない場合もあります。任意無保険だとなおさらです。立証困難。理解できないまま,泣き寝入りの心情に陥ります。
 
5 交通刑事記録の早期全面開示の要請
民事交通賠償の過失相殺問題に根拠のない打撃を与える刑事政策的不起訴処分,その具体的事由はなにか。事故の真相を知りたい。情報開示のない不起訴処分に被害者は納得しません。交通刑事記録の早期全面開示は必要不可欠です。
 
2003/10/02

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津法律事務所 弁護士喜多正達
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